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フィッシュアンドチップスーイギリスの国民食になった経緯とは?

フィッシュアンドチップス、英語を勉強していて一度は耳にしたことがあるかもしれません。
英語圏、特に欧米では人気のファストフードですが、海外ではどんな食べ方をされているのでしょうか?
またフィッシュアンドチップスの歴史とイギリスの国民食になった背景とは?
イギリス文化の影響を受けた、南アフリカならではの実体験を交えてお話します。

フィッシュアンドチップスの始まりは150年以上も前!

フィッシュアンドチップスの歴史は意外と古く、19世紀まで遡るとされています。

イングランド、ロンドンにあったイーストエンドという下町が舞台です。
当時すでに魚のフライもポテトのフライも、国民の食卓に上っていました。


そんな時代にイーストエンドにあった、「ジョセフ・マリン」(マリン・ファミリー)のお店が魚とポテトのフライを一緒にして売り出しました。
これがフィッシュアンドチップスの始まりだと、一説では言われています。


実はこの「マリン・ファミリー」以外にももう一つエピソードがあります。
それはイングランド北西部の町、モスリー(Mossley)の「リーズ・ファミリー」が売っていたという話です。
面白いことに、どちらも始まりは1860年なんですね。


これらのエピソードは、英国国際フィッシュアンドチップス協会、THE BRITISH NATIONAL FEDERATION Of FISH FRIERS(通称 NFFF)の資料にあります。
(参考:https://www.nfff.co.uk/pages/the-history-of-the-nfff

フィッシュアンドチップスがイギリスの国民食になったいきさつ

広く知られているのが以上のエピソード、ということなので、もしかしたら他にも既に魚とポテトを一緒に食べていた人がいたかもしれませんね。
上記のNFFFの資料にも、どちらにしても魚のフライと調理したポテトはそれ以前から販売されていた、ということが書かれています。
参照元https://www.nfff.co.uk/pages/fish-and-chips
それぞれは既に売られていたけど、一緒にセットにして提供したのが上記の店、ということなのでしょう。


1910年頃までには、国中に25,000程のフィッシュアンドチップスを売るお店があったかもしれないと言われています。
全盛期には、主要な都市の通りには必ずフィッシュアンドチップスのお店があったというのは驚きです。

上記の英国国際フィッシュアンドチップス協会(NFFF)は1913年に設立されています。
これはアメリカでマクドナルドがハンバーガーを売り出す、20年以上も前の話です。
いかにフィッシュアンドチップスがイギリスで愛されていたかが分かりますね。


ちなみにフィッシュアンドチップスがこれほど普及した背景には、産業革命が関係していたという説があります。
工場で働く労働者にとって、安くて手軽に食べられるフィッシュアンドチップスは、うってつけの食事だったわけです。
また第2次世界大戦の時期には食料の配給にも使われていました。
後には屋台のフィッシュアンドチップス店も、ポピュラーな存在として登場するようになります。
(参考:https://en.wikipedia.org/wiki/Fish_and_chips,日本語はja.wikipedia.org/wiki/フィッシュ・アンド・チップス#歴史)
フィッシュアンドチップスは国民を支え続けた、イギリスの国民食なんですね!

チップスとはフライドポテトのこと?

フィッシュアンドチップスとは、ご存知の通り魚のフライにポテトが付いてきます。


このポテトですが、日本人の感覚で言うと、フライドポテトのようなイメージです。
「チップス」と言ってもいわゆる「ポテトチップス」のようなものではないのです。


英語圏では「フライドポテト」というと、ポテトを丸ごと揚げたものをイメージすることがあるようです。
日本人の感覚でいう「フライドポテト」は、英語では「チップス」と言うんですね。
アメリカ英語では「フレンチフライ」ということもあるようですが、私がいた南アフリカではやはり「チップス」でした。


余談ですが、イギリス系の移民が多く利用するレストランでは、ステーキなどの付け合わせにこの「チップス」が付いてきます。
南アフリカではレストランでこうした料理を注文すると、

「Veggie or Chips?」とよく聞かれます。


メニューにはチップスが付け合わせとして出ていても、「Veggie」(野菜)に変更できることがあるんですね。


英語圏のレストランでは、こうしたメニューの融通が効くお店が多いような気がします。
「コーヒーにクリームをたくさん入れて」などの注文も聞いてくれたりします。
ウエイター・ウエイトレスたちが各テーブルを責任をもって担当し、お客もチップでサービスに感謝を示す、というのがマナーなんですね。


少し話がそれました…。

テイクアウトのフィッシュアンドチップスのお店では、付け合わせはもちろん「チップス」です!

脂っこいものが苦手な人でも大丈夫!

フィッシュアンドチップスは脂っこいから苦手という方も多いでしょう。
魚もポテトも油で揚げていますからね。
確かにお店によって油が悪かったりするので、そこは要チェックです。
フィッシュアンドチップスのテイクアウトのお店では、大抵厨房が見えるので、衛生状態や油のにおいは確認しておきましょう。


実はイギリス系の移民が多い南アフリカでは、脂っこいものが苦手な人なりのフィッシュアンドチップスの楽しみ方があります。
南アフリカのフィッシュアンドチップスのお店では、

「Grill or fry?」と聞いてくれます。


魚をフライにする(揚げる)か、ソテーにするか選べるわけですね。
私は脂っこいものが続いているときには「Grill」にして、胃の負担を減らすようにしています。
「Fry」でなくてもしっかりフィッシュアンドチップスの雰囲気を楽しめるのでおすすめです。
もし南アフリカに来る機会があったら、「Grill」のフィッシュアンドチップスを是非試してみてください。

フィッシュアンドチップスにかける調味料はビネガー

皆さんは魚のフライやフライドポテトには何をかけて食べますか?
日本では魚にタルタルソースでしょうか。
ポテトには大抵塩ですよね。
英語圏でもこうした調味料でフィッシュアンドチップスを食べることはあります。


でもイギリスではビネガー(酢)なんです!
人それぞれ好みがあって、ケチャップやカレーソースなんてこともありますが。
実際にビネガーで試してみると、少し酸味の効いたさっぱりした感じもあり、とても美味しいです。


もし英語圏の人とフィッシュアンドチップスを食べる機会があったら、このフレーズを言ってみると良いです。


「Put vinegar on my chips!」

まとめ

フィッシュアンドチップスがイギリスの国民食になった経緯と、伝統的な食べ方をご紹介しました。

フィッシュアンドチップスは英語圏ではとてもポピュラーな食べ物です。
ファストフードとしても、ランチとして、ディナーとしても楽しめます。
英語の新聞紙に似せた紙に包まれて提供されることもありますが、これは以前に新聞紙に包んで提供されていた名残のようです。
もしそんな包装のフィッシュアンドチップスを見かけたら、イギリスの国民食として永く愛されてきた歴史に浸りながら味わってみてください。


酢をかけるのを忘れずに!